2018/10/15
ホットな投資なら「住宅系」<「オフィス・ホテル・民泊系」?
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東京は空室率3%台かつ賃料上昇で好調

不動産投資物件を買い増す際、どんなニーズが今後強まりそうかを予測することで、言うまでもなく買う物件は異なってくる。買ってすぐ売るキャピタルゲイン狙いでなく、腰を据えて中長期で投資計画を練るなら猶更、中長期の市場ニーズを見通す必要がある。くしくも直近の不動産マーケット市場は明暗分かれている。今回の記事がそんな中長期の投資戦略の一材料になれば幸いだ。 


今に始まった話では決してないが、不動産市場における「オフィス・ホテル・民泊系」vs「アパート・マンションなど住宅系」の明暗の構図が濃さを増している。 

 

まずオフィス需要は昨今の企業業績・景気拡大局面を受けて絶好調。2017年の「東京ビジネス地区(都心5区)」の大規模オフィス空室率は16ヵ月連続で3%台。新宿区が2%下回っているのに続き、渋谷区も2%以下になった。この2区以外にも全般に東京ビジネス地区は空室率2-3%と好調が続いている。東京以外にも、札幌の空室率は2.6%、横浜5.5%、名古屋5%、大阪3.8%、福岡3.1%とほぼ全ての主要都市で対前年比1.5ポイント以上低下しており、地方都市も好調が続いている。 


ホテルは大阪・沖縄など東京をしのぐ健闘

賃料も東京の大規模オフィス平均賃料は1.9万円/坪で前年同月比プラス約600円。渋谷区を筆頭に、千代田区、港区、新宿区と着実に賃料水準が上がってきている。全国主要都市の平均オフィス賃料も前年同月比プラスとなっており、札幌・大阪・福岡は坪140-170円の上昇となっている。 


かねてより過熱気味のホテル市況も相変わらず盛り上がっている。興味深いのは、主要都市の客室稼働率がオフィスのような「東京1強型」ではなく、札幌93%、東京83%、大阪91%、沖縄89%と、東京よりも地方都市のほうが頑張っている点。地方の観光都市は首都圏からの観光客に加え、外国人インバウンド需要が東京から各地に拡散しているのかもしれない。特に大阪府と沖縄県はリゾート・ビジネス・シティホテル全てのカテゴリで80%の稼働率を記録している。 

 

最近のインバウンド傾向で目を引くのは、外国人の平均泊数の長期化だ。国籍・地域別ではベトナム人が36.6泊、インド・欧州・米国・カナダ、オーストラリアも10泊以上長く、外国人全体の平均泊数は11.3泊。長期滞在にはコストが安く滞在もしやすい民泊が適している。実際、日本滞在中の宿泊施設利用率(複数回答)では、ホテル75%、旅館18%のほか、「有償での住宅宿泊(≒民泊)」は12%と旅館に迫る勢い。アジア圏を中心に長期滞在層の入国者が増加している中、民泊をはじめとする安価な宿泊施設のニーズが感じられる。 

住宅は新築より中古市場のほうが活気

住宅ニーズは、これも昨今の一定傾向として定まりつつあるが、新築よりも中古市場のほうが活気がある。不動産経済研究所の調べでは、首都圏の新築分譲マンション市場は昨秋時点で前年同月比-3%、神奈川・千葉では2桁減少となった。首都圏の平均価格は5586万円と前年同月比3.3%増。平均で5000万円後半となるとこれはかつての都心一等地のマンション価格と同等で、若年一般サラリーマンではもはや手の届かないレベルに高騰しているのも活性化していない一因だろう。 

 

一方、東日本不動産流通機構によると、昨年7-9月の中古マンション成約件数は10期連続で前年同期を上回り、成約価格も5.1%増の3204万円。この価格はかつての首都圏の新築分譲マンション価格レベルでもある。首都圏の分譲マンション賃料も前月比0.5%増で、首都圏全体でいても好調に推移している。ここ数年にわたり価格があがって新築が買いにくくなっている分、それらの購入客が中古マンションや賃貸マンションに流れ込んでいることがわかる。 


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(ファミリーオフィス編集部)

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