2018/02/21
2018不動産投資予測(3)~浮き沈み激しいアパートローン融資、2018年は?
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アパートローンもマイナス金利で超低金利時代

2015-2016年にわたり拡大してきたアパートローンが、2017年で一気に減少フェーズに入った。この背景には何があったのか多面的に検証しながら2018年を見通してみよう。 


アパートローンとは、金融機関が個人による貸家業に融資するローンのこと。マイホームを買うときの住宅ローンとは違うもので、金利も異なる。住宅ローンは低金利の今、0.4%(変動)~1.3%(長期固定)あたりだが、アパートローン2.5%~約5%の範囲で設定されるケースが多い。金利の高低はリスクの高低と連動するといわれるが、金融機関は貸し倒れしにくい住宅ローンよりも賃貸経営で左右されるアパートローンを高リスクとみているわけだ。 

 

アパートローンの金利が割高といっても、このマイナス金利の超低金利時代、2%台というのはアパートローン史上でもまれに見る低金利だ。2015年の税制改正で相続税の基礎控除額が一気に引き下げられ、課税対象者が一部の富裕層から一般サラリーマン層にも広がったが、このアパートローンの低金利はサラリーマンをはじめとする一般個人の賃貸経営(不動産投資)をも後押しした。金利が低ければ借入総額が増え、より立地など条件の良い投資物件が買えるからだ。 


地銀がアパートローンに積極乗り出し

さらに、マイナス金利で金利収入がきつくなった金融機関側も、より金利が高く金利収入の得られるアパートローンに力を注いだ。特に都市銀行などに比べ財政基盤などが脆弱な地方銀行やノンバンク系がアパートローンに積極的な動きを見せ、20173月に発表した国土交通省調査で賃貸向け新規貸出額上位金融機関をみると、1位が地銀(15762億円)、2が信金(8025億円)3位都銀・信託銀行という構図になっている。地方の利回りの出やすい土地でのアパート建設も一因とみられる。 

 

こうしたいくつもの勢いが重なって、2015年度に金融機関が行った賃貸向け新規貸出額は3.6兆円で前年度比8%増。日銀の貸出先別貸出金では16年末に「個人による貸家業」の期末貸出残高が22兆円と前年度比5%増と拡大した。 

アパートローン過熱に金融庁規制
しかし、ここにきて過熱を懸念する金融庁が規制に乗り出し、融資審査で担保だけでなく事業自体を評価することを要請するようになった。実はこの状況の変化は筆者の知人の実体験にもみてとれる知人は某不動産投資会社でテレフォンアポインターをしていたが(現在は退職)、2017年初めには年収300万円台のサラリーマンをターゲットにしていたが、2017年後半には年収450万円のサラリーマンに対象が引上げられた。それ以下では金融機関の融資がつかないからだ。さらにいくら年収があても過去のクレジットカード等の返済滞りがあると営業できないということになったそうだ。融資基準が確実に厳しくなったことがわかる。 

 

そして2018はどうなりそうか? 

あるメガバンク融資担当者は「金融庁のアパートローンへの融資規制もあり、一部地域では賃貸供給過剰による事業性も懸念されている。我々メガバンクは地銀さんやノンバンクさんほどアパートローンに注力はしていなかったが、それでもアパートローンから住宅ローンへ注力していくことになると思う」

サブリースの説明不足も問題に?

 アパートローンに関しては賃貸オーナーと供給事業者とで一定家賃を保証するサブリース契約も問題になっている。2016年秋、国土交通省は賃貸住宅管理業者登録規程の見直しの中で、サブリース契約において将来の家賃変動に関する諸条件(期間、減額の可能性)の明記を求めているが、前述の知人によると「家賃保証は強調しても、その期間や減額の可能性については電話営業段階では話していなかった」という。 

 

不動産投資は融資がカギにもなる。不動産投資家は金融機関の融資環境や供給事業者のリスクまで正直に言ってくれる誠実性があるかどうかについても注視していく必要がありそうだ。


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(ファミリーオフィス編集部)

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