2017/09/21
「北朝鮮vsトランプ」どうなる政治と経済の行方
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野田聖子総務大臣「空家や労働人口急減は東京も無関係ではない」
日増しに強くなっている「北朝鮮vsトランプ」の緊張。その狭間にある日本の政治だけでなく経済にも影響を及ぼしそうだ。海外不動産や東南アジアでの投資を検討している投資家には無関係な話ではない。

このほど不動産保証協会東京都支部の法定研修が東京国際フォーラムで行われた。不動産関係諸君の中には行かれた方も多いと思うが、ご参考までに当マガジンでも紹介したい。法定研修会には東京都支部会員約6000人が参加し、冒頭では総務大臣である野田聖子衆議院議員が挨拶。「地方の人口急減の波が近く東京にも押し寄せると思います。空家や労働人口急減への対応が急務」と話した。

続いて国際政治ジャーナリストの蟹瀬誠一氏が講演。「トランプ大統領の7月の支持率は36%、不支持率58%。就任後6カ月でのこの支持率は、戦後歴代大統領で最低です。半数近くがトランプ大統領に辞めてもらいたいと内心思っている」と話し始め、「しかしトランプは一向に気にすることなく、1ラウンド4億円もかかると言われるゴルフを55ラウンドやっている」と続けた。

経済が低迷すると国民は独裁政権を望む?
しかし、そこにアメリカ国民は矛盾する感情を抱えている、とも。「経済が低迷すると国民は独裁政権を望むんですね。日本の安倍政権もそう。世界的に経済が低迷し、そういう中から核開発をなりふりかまわず続ける北朝鮮が出てきたわけです」。

蟹江氏によると、冷戦後、パリ温暖化条約に191か国すべてが参加するなど世界各国が協調するなど新世界秩序が生まれたものの、2008年のリーマンショック後、人口減少・資金収縮・金利上昇など経済が逆向きに動き出してしまった。そういう中で「アメリカ・ファースト」を掲げるトランプが選挙時支持を集め、自国利益・自国優先の風潮が許されるようになり、グローバリズムから反グローバリズムへ。ロシア・中国が拡大路線に転換し、中東やヨーロッパでもテロが常習化し、北朝鮮の金正恩万歳ムードを助長した。
日本人と日本のビジネスは何をすればいい?
「こうした新世界秩序から一旦、新世界無秩序にバランスを欠くと、そう簡単にはもとには戻らないと思います」(蟹江氏)。

当の日本は北朝鮮とアメリカに挟まれ、毎日のように核ミサイル危機報道が続いている。そうした中で日本人・日本のビジネスは何をすればいいのか?

蟹江氏はマスコミ報道やネット情報に踊らされることなく、リスクを自分の頭で正しく認識することが必要と説く。「人には①ことを起こす人、②ことを見ている人、③何が起きているか全く分からない人の3種類います。少なくとも③にならないよう注意を心がけることです」

「マスコミは売れるから核ミサイル報道で不安をあおりますが、実際のところ、北朝鮮の情報監視体制は非常に厳しく、一次情報を入手することはCIAでもできない。トランプでさえ、金が何を考えているか全く分からないのです」

「日本のマスコミは北朝鮮とアメリカの軍事衝突が今にも起こりそうに報道していますが、私自身はその可能性は低いのではないかと思っています。なぜなら、核衝突が起こると国家と人類の消滅するからです。広島と長崎の悲惨を2人とも認識している。それは金もトランプも望んでいないでしょう」

「世界に核武装している国はアメリカ・イギリス・中国・インド・パキスタン・イスラエル・北朝鮮含め9か国ある。使えないけど持っているから敵が攻めてこない、抑止力としてしか使えない武器なのです。北朝鮮にとっても核武装がアメリカの奇襲攻撃を防ぐ唯一の手段なのでしょう」

「幸いアメリカでも3人の退役軍人がトランプの暴走を封じるシステムができています。ミリタリースクールにいたトランプは軍人には敬意を払ってますから」。アメリカが北朝鮮を核保有国と認めたうえで国際政治の中に取り込んでいく方法を探るのではないかというのが蟹江氏の見方だ。
経済予測に振り回されないこと
一方、緊迫した国際政治とは違い、IMFは世界の経済成長率3.4→3.5%と明るく見ている、とも。「ともかく短期的な経済予測はほぼ不可能なので、専門家の予測に惑わされないこと」。政府や専門家意見・マスコミ報道に踊らされず、自分で冷静に状況を分析する必要と語る。

「アメリカの政策を導入したアベノミクスは大企業優先。大企業が儲かれば中小企業でもおこぼれをあやかれると期待したのですが、これは現実にならず、現状は大企業だけが儲かっている二極化状態」

「ですからアメリカのまねをしないでどう成長していくかの中長期ビジョンを描くことが必要。1-2年後の経済を予想するのでなく、100年後の図面を描いて100年前の今、自社は何をすればいいかを自分の頭で考えていくことが必要」

200年続いてきた日本の長寿企業3000社、その数なんと世界1位。共通するのは①変化に強い②強い結束力③現場判断を大切にしている④無理な資金調達をしていない--だという。目先の出来事にあたふたしない。役に立たない経済予測に振り回されない。本質を見抜き、自信と決断力とビジョンが問われている、と蟹江氏は締めくくった。不動産業界にも少なからずあてはまるのではないだろうか。

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(ファミリーオフィス編集部)

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