2017/09/05
2027リニア開通にらむ「大名古屋」改造計画
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「名駅エリア」百貨店売上が栄地区を初めて上回る
2027年のリニア開通を控え、東京と約40分で行き来できるようになる「名古屋エリア」。名古屋駅前を中心にオフィスビルやホテル・百貨店など「複合立体都市」が形成され、再開発の動きが進んでいる。岐阜・三重・静岡からも鉄道でアクセスしやすく、中部エリアの投資環境にも影響しそうだ。

名古屋駅の表玄関ともいえる「名駅エリア」は、急速に国際ビジネス都市に生まれ変わろうとしている。まず今年4月にはJRゲートタワーが全面開業し、開業9日間で来場100万人を突破。モールはJR東海高島屋が開業し、20-30代女性を核に幅広いファミリー層も狙った専門店が軒を連ねる。名鉄百貨店を含む名駅地区の百貨店売上は今年5月に前年同月比23%増となり、栄地区を初めて上回った。

駅前では大名古屋ビルヂングやJPタワー名古屋など大型再開発ビルの開業も相次いでいる。駅南の再開発地区「ささしまライブ24」でも「グローバルゲート」ができて街びらきしたほか、駅西でもリニア中央新幹線開業をにらんでビジネスホテル建設がラッシュ、地価上昇が続いている。

巻き返し図る「栄地区」
これまでのファッション・グルメ・アミューズメントの名古屋最大の街「栄地区」も、この名駅エリアの勢いに押され巻き返しに懸命だ。三越栄店が大規模改装するほか、かつて「名古屋一番店」を誇った松坂屋も景気持ち直しで富裕層の購買が戻っている。

栄の名物・大地下街「サカエチカ」も2019年の開業50周年に向けて大幅改装中。「クリスタル広場」にデジタル画像が映る柱を設け、イベント会場が登場する。

栄のランドマークである「中日ビル」「丸栄」「日本生命栄町ビル跡地」などでも複数の再開発計画が持ちあがっており、日生ビル跡地では水面下で大丸松坂屋が商業施設を出店する案もある。
栄vs名駅の戦い
こうした元祖商業中心地「栄エリア」と新興「名駅エリア」との戦いは、地元紙社会面で「どちらが名古屋の都心か」と取り上げられるほど熱く繰り広げられている。

事実、名古屋市内の最高路線価は長らく「中区広小路通り栄交差点付近」だった。バブル直後の1992年には1平方メートル1942万円を記録した。しかし、2005年には初めて「中村区名駅1」の名古屋駅前が栄を抜いて初めて最高路線価地区に。その後、13年連続で首位を守っており、栄地区との差は縮まっていない。


伏見ではタワマンなど高層住宅が集結
この名駅vs栄の戦いに挟まれているエリアが伏見地区だ。名古屋城を起点にした丸の内金融街としての重厚な一面をもちながら、かつては有数の問屋街「長者町繊維街」もある。東には「栄」に近いことから、タワーマンションやホテルの建設ラッシュに沸いている。

まずは伏見の顔ともいえる「御園座」が経営再建のため旧劇場の土地・建物を売却し、新劇場と約300戸のマンションが一体となった40階建てビルを建設中で、新劇場は2018年4月に開業する。

また堀川沿いでは今年、マンション347戸・スーパー・診療所などが入居する「テラッセ納屋橋」ができ、周辺では秋以降3つのホテルが順次開業予定という。空きビルや駐車場が目立つ中区錦2丁目でも、マンションや商業施設が入る41階建て高層ビルが建つ。

このように、名古屋エリアは関東にも関西にも行ける日本の真ん中というロケーションのほか、JR・名鉄・近鉄・名古屋市営地下鉄・中部国際空港といった周辺の岐阜・三重・静岡からも流入しやすい。地下鉄の環状線が日本で初めてネットワークされたのは他でもなく「名古屋」であるし、名古屋市では個人・法人とも市民税の一律5%の恒久減税を実施したことでも話題になった。2027年リニア開通で国内移動客はもちろん、海外からのインバウンド客も集め、ますます目の離せないエリアになりそうだ。

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(ファミリーオフィス編集部)

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