2017/08/29
民泊新法が成立!(3)仲介業者と管理業者は何をしなければならない?
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民泊関連事業者に3種ある

急激な来日観光客の増加とともに、問題になりつつあった「違法民泊」。無免許で他人に有償で自宅や別荘を貸し出したり、宿泊や消防の安全衛生設備を整えないまま開業する「違法民泊」を防ぐため誕生したのが、今回の「民泊新法」である。


前回、「新法では3種類の民泊関連事業者が登場する。」と書いたが、ここでは②③の仲介業者と管理業者への義務付けられた内容を紹介する。

①「住宅宿泊事業者」:民泊ホスト

②「住宅宿泊管理業者」:民泊運営代行会社

③「住宅宿泊仲介業者」:Airbnbや民泊仲介サイトを含む仲介業者


海外の民泊仲介業者にも登録求める

新法では仲介業者と管理業者に国への登録を義務付けているが、仲介業者の登録については、日本に事務所やサーバーのない海外の仲介業者にも登録を求める「域外適用」を運用している。インターネットを通じ、遊休資産を活用して宿泊者を募集する「シェアリングエコノミー」をうたう海外の仲介業者も増えているが、仮に違法行為があっても日本の旅館業法の規制をかけるのは困難だったり、営業している場所を把握するのも難しいことも少なくない。しかも民泊には火災や感染症、テロなどへの不安もつきまとうことは否めない。


そこで海外も含めて民泊を提供している業者が誰でどこにいるのか把握することで、そうした不安を払拭するのが狙いだ。ただ、そうした仲介業者がきちんと登録してくれるかどうかは別問題。このため、住宅を提供する住宅宿泊事業者には、登録した仲介業者にしか仲介を委託できないように規程している。違反した場合には罰則も適用される。

管理業者には宿泊者の衛生安全確保やルール説明

一方、家主が住んでいない住宅を管理する管理業者には、

1)住宅宿泊事業の適正な遂行のための措置の代行

→宿泊者の衛生確保や避難機器設置などによる安全確保、外国語による利用方法説明、宿泊者名簿の備え付け、騒音防止、苦情処理を規定。騒音やごみの分別、たばこルールに関して近隣住民から苦情が寄せられることが多いことから、空き家を民泊にする場合には管理業者がルール説明やトラブル対応をしっかり担うこととしている。

2)住宅宿泊管理行の適正な遂行のための措置の実施

  →誠実な業務処理や誇大広告・不実こくちの禁止を規定。

を義務付けている。

 

以上、いろいろ堅苦しい義務について書いてきたが、こうした民泊現場においてルール説明やトラブル対応がいち早く対処できるのは、やはり都心にしか拠点を置かない不動産大企業よりも地元・地域に根付いた不動産業者のほうに軍パイが上がる。

 

また、外国人が喜ぶ名勝地や遺跡・歴史深い名所はえてして交通の不便な、都市や町から離れた大自然の中にあったりするが、こういうエリアは宿泊施設がまだ未整備であることも事実だ。夏や秋、スキーの冬といったお祭りやイベントなど一時期に来訪者が集中する地域もあり、今後は日本の都市部だけでなく地方の民泊物件を掘り起こしていくニーズは実に高い。古民家や商家などの旧住宅に民泊を活用し、その費用で保存費用に充てるなど、まちづくりや地域活性化の手法にすることも考えられる。

今後のインバウンド戦略は「リピート需要をどう掘り起こすか」

政府は「明日の日本を支える観光ビジョン」(2016年)で訪日外国人旅行者数を2020年に4000万人、2030年には6000万人にするという目標を掲げており、2016年はようやく2000万人を超えたところだから、ここから2倍、3倍にもっと来日外国人は増えていく。来訪者数を増やすにはリピーターの確保が重要に成り、「前回は東京都心を訪れたから次回は田舎で」「前回は歴史探索だったから次回が海や山のリゾート地で」といった、多様なニーズや志向を戦略的に提案していく必要があり、不動産業の果たす役割はまだまだ未知数だ。


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(ファミリーオフィス編集部)

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