2017/08/15
民法が120年ぶり改正(下)~債権の「銀行・個人」の別がなくなった!
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120年ぶり債権法を抜本見直し
企業や消費者の契約ルールを定める債権関係規定(債権法)に関する改正民法が、2017年6月9日に公布された。民法制定以来、約120年ぶりに債権部分を抜本的に見直し、公布から3年以内に施行されることになった。改正は約200項目に及ぶが、ここでは不動産取引・不動産投資に関するものについてピックアップしよう。

消滅時効とは、債権者(お金を貸した人)が債務者(お金を借りた人)に対して請求等をせずに、法律で定められた一定期間(5年ないし10年間)が経過した場合に、債権者の法的な権利を消滅させる制度をいう。

消滅時効、債権者の「銀行・個人」の別がなくなる
これまで債権の消滅時効は「商人5年」「個人10年」だった。「商人」とはいわゆる銀行のことで、これまで銀行の債権は5年、信用金庫は10年、貸金業者(会社)5年、貸した個人10年だったが、こうした区分けがなくなる。
銀行だろうが誰が貸したかに関わらず一律、
「権利を行使できることを知った時から5年」
「権利を行使できる時から10年」
に統一される(新166条)。
消滅時効が中断となるのは「債務者承認」「債権者・債務者の合意」
消滅時効が中断されるのは、①債務者が明らかに承認した時と、②債務者と債権者が協議し合意した時となった。①の例といえば「払っていないことをお詫びします」と債務者が明らかに認めた場合や、②では「支払について話し合いませんか?」「はい、話し合いましょう」と債務者と債権者が相互に書面を作成し、協議の合意があった場合などだ。

ちなみに、債権者が「払ってほしい」というのは催告にすぎず、裁判などの実行動を伴わなければ、時効の中断対象にならない。
連帯保証制度でも個人保護カラー強める

このほか、インターネット通販など不特定多数の消費者と同じ内容の取引をする場合に事業者が示す「約款」の規定も新たに設けられた。消費者の利益を一方的に害する条項は無効になる。約款をほとんど読まずに契約する消費者も多いが、トラブルで泣き寝入りする事例を減らす狙いがある。

さらに連帯保証人制度でも、個人の保護を進め、中小零細企業への融資などで、第三者が個人で保証人になる場合、公証人による自発的な意思の確認を必要とする。このほか、賃貸住宅の退去時の敷金の返還ルール(東京ルールなど)を設けるなど、これまで文字化されていなかった商習慣を改めて盛り込み、生活に密着した改正が多い。

なお、建物に欠陥があったり滅失があった場合、買主に与えられている以下の権利
①契約の解除(新541・542・564条)
②債務不履行に基づく損害賠償(新415・416・564条)
③修補請求(新562・565条)
④代金減額請求(新563・565条)
⑤競売の特則の基本的維持(新568条)
の権利も見直されることになった。
詳細はインターネット等で条文や解説など参照されたい。

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(ファミリーオフィス編集部)

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