2017/07/18
民泊新法が成立!(1)「年間180日以下の営業」制限の理由
このエントリーをはてなブックマークに追加


2018年1月より民泊新法スタート
去る6月9日、「民泊」のルールを新しく定めた「住宅宿泊事業法(民泊新法)」が成立した。民泊事業者は都道府県に届出をすることで年間180日を上限として合法的に民泊運用をすることが可能になった。新法は2018年1月にも施行される予定だ。

「旅館業法」「旅行業法」の規制受けない新法律体系
これまでも当マガジンでは「民泊投資をするには旅館業や旅行業の許可を取らなければならないのか、許可を取るならどう取るのか?」について書いてきたが、まず認識していただきたいのは、この民泊新法が従来の「旅館業法」「旅行業法」の規制を受けない、まったく別の新しい法律であるということだ。

これまで日本において民泊を合法的に行うためには、国家戦略特区における特区民泊の仕組みを活用するか、旅館業法の簡易宿所免許をとるしか方法がなく、実情としては日本にある民泊施設の大半が無許可にて運営されている状況だった。

しかし、この新法により、民泊事業者は旅館業や旅行業の許可を取らなくとも、「都道府県に届出をすることで年間180日を上限として」民泊運用をすることが可能になる。極めてシンプルで分かりやすい法体系だ。
民泊事業者、管理業者、仲介業者それぞれの届出義務づけ
ただし、これまでの無法状態だった民泊業界も、民泊事業者に届出が求められるだけではなく、民泊事業者に代わって物件を管理する住宅宿泊管理業者にも国土交通省への登録が義務づけられ、「旅行業」にあたるとされてきたインターネットなどの住宅宿泊仲介業者も官公庁への登録が義務づけられるということだ。

また今回の新法では、「旅館業法」の対象外となる条件として、「年間180日の営業日数上限」もつく。「有償で反復継続して民泊事業をやる」には約半年程度しか民泊運営できないということになる。各自治体が条例により引き下げることはできる見通しだが、仮に180日を超えて民泊をやりたいということになると、「旅館業法」対象となり、従来どおり旅館業の営業許可が必要になる。条文をみておこう。

条文抜粋)第二条 3 この法律において「住宅宿泊事業」とは、旅館業法(昭和二十三年法律第百三十八号)第三条の二第一項に規定する営業者以外の者が宿泊料を受けて住宅に人を宿泊させる事業であって、人を宿泊させる日数として国土交通省令・厚生労働省令で定めるところにより算定した日数が一年間で百八十日を超えないものをいう。
なぜ180日が上限なのか
ところで、なぜ180日が上限なのだろうか。これには様々な理由が議論されているが、今回の新法が対象とする民泊施設は、あくまで「住宅」で、ホテルや旅館とは明らかに違う位置づけをしていること。インバウンド客の想定以上の来日とホテル不足、空家解消のため、緊急対応的につくられた例外的な法律とみてもいい。

フツーの住宅を民泊に即転換するといっても、管理人の体制や宿泊客の管理・衛生安全面など、1年間フル稼働では対応が追い付かず、サービス低下や事件事故の温床にもなってはいけないとの行政の慎重な考えがあるだろう。だから「まずは少しずつ、余裕をもって事故のないよう導入してください」というところが本音なのではないだろうか。

新法成立を受けて「民泊市場=合法」という認識が広がれば、今後はこれまで民泊に対して慎重な姿勢を見せていた大手の旅行・不動産関連企業が新たに参入することも想定され、市場はますます盛り上がっていきそうだ。民泊事業者向けの融資や保険サービスなど、金融関連のサービスの充実にも期待したい。

このエントリーをはてなブックマークに追加


(ファミリーオフィス編集部)

キーワード検索

タグ一覧
タグを全て表示 »
« タグを隠す