2017/06/13
不動産会社も投資家も「知らない」では済まされない!インスペクション検査項目
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2018年4月よりインスペクション規定施行
不動産投資は基本、中古住宅の購入が一般的だと思われるが、2018年4月から「住宅検査」「建物診断」と呼ばれるインスペクションに関する規定が施行される。これは主に売買仲介する宅建業者に義務付けられるものだが、性能や劣化状況が見えにくい中古住宅を買うだけに、多額を投資する不動産投資家としても、どんなインスペクションがあってどこまでが範囲になっているのか知っておく必要があるだろう。

この施行によってまず、仲介業者と売主との媒介契約締結時において、仲介業者がインスペクターを斡旋できるかどうかを売主に示さなければならなくなる。つまり「ウチの不動産会社はインスペクションについては斡旋できません」と言うか、「我々はインスペクションを通じて物件の安全性を買主にアピールする売り方をサポートしているので、インスペクション会社をご紹介できますよ」と言うかを選ばなければならないということだ。

検査内容は主に「劣化の有無と範囲・原因」「性能向上」
ではどんな項目が検査対象なのか?今はまだ施行前の基準整備中だが、平成25年6月に国土交通省から示された「既存住宅インスペクション・ガイドライン」によると、インスペクションの種類には以下の3つがあるとされている。

①既存住宅現況検査(一次的インスペクション)…劣化の有無を調査
既存住宅の現況を把握するための基礎的インスベクション。目視や非破壊による現況調査を行って、構造安全性や日常生活上の支障があると考えられる劣化事象等の有無を把握する。

②既存住宅診断(二次的インスペクション)…劣化の範囲と原因を調査
劣化が生じている範囲や不具合が生じている原因等を把握するための詳細なインスペクション(耐震診断はここに含まれる)。破壊検査も含めた調査を行って、劣化の生じている範囲を特定して不具合の原因を総合的に判断しようというもの。

③性能向上インスペクション…性能向上リフォーム実施時の住宅性能の把握

人間の健康診断に例えると、
一次的インスペクション=血圧や血液検査を行う「定期健診」
二次的インスペクション=定期健診で問題のあった場合、胃カメラやMRI等で精密検査
三次的インスペクション=検査結果で出た箇所を治療、または特に問題がなくても病気予防のために行っているスポーツや食生活改善によってどれだけ体力が向上しているか把握
…と考えると分かりやすいのではないだろうか。
要注意部位は「外壁」「屋根」「基礎」「室内」
このうち、中古住宅の売買で行われるインスペクションは、上記の一次的インスペクション(劣化有無調査)とされている。つまり売買時には劣化の有無と現況を調査することが目的で、「劣化を改善したい」「耐震診断をしたい」「最近リフォームしたようだけど、それでどれだけ性能が上がっているのか」という買主に追加的要望があれば、買主が別途、費用を負担してインスペクション業者に依頼する必要があるということだ(現時点)。ただし資金力のある不動産会社などは、よりスムーズな売買をしようとこのあたりも買主に代わって負担する、という会社も出てくるかもしれない。

インスペクションの検査項目の中でも特に注意が必要な部位を挙げておく。

1)外壁…風雨に晒されやすく不具合の起こりやすい箇所。ひび割れなどがあると雨水が内部に侵入しやすく、それにより構造材の腐食やカビの発生も起こりえる。

2)屋根…外壁と同様、風雨に晒されやすく、防水層含めて劣化しやすく、構造材の腐食やカビの発生につながりやすい箇所。高所なため目視調査が困難になるケースもあり。

3)基礎…亀裂や深さ20センチ以上の欠損、コンクリートの劣化などが調査対象。亀裂が0.5ミリ以上あると、そこから雨水が侵入してコンクリートや配筋等の構造に影響を与えてしまう。特に注意したいのは換気口周りで強度が落ちると亀裂が入りやすい。

4)室内…床や柱の傾斜は基礎の不同沈下や床仕上げのゆがみにつながり、構造に問題があるケースが多い。

いずれにせよ、インスペクション調査の対象部位と方法については、このインスペクション結果をもとに既存住宅売買瑕疵保険に加入できるよう、同保険加入で求められる現場検査の対象部位(基礎、壁、柱など)とその方法と同様のものにする方針が示されている。業者任せにせず、投資家も知識をもって「どこまでインスペクションが行われるのか」をチェックする姿勢が求められていきそうだ。

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(ファミリーオフィス編集部)

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