2017/04/25
投資物件で民泊を運営する場合、「旅館業」だけでなく「旅行業」許可も必要?
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ネットを利用した民泊仲介業者は「旅行業登録」必要?
GW近くなると旅行気分が高まるが、日本の気候が良くなると来日観光客も増える。そこで浮かぶのが「民泊投資」だが、投資物件で「民泊」をやる場合、「旅行業」認可も必要になるのだろうか。

昨年3月の政府の発表によると、一般住宅に有料で観光客を泊める「民泊」について、インターネットなどを利用して民泊の仲介事業をする業者は旅行業の登録をさせるという検討に入っている。その後はまだ正式な確定発表はされていないが、「民泊の仲介業者は旅行業登録義務付け」の方向で進んでいるようだ。今回はまだ法改正内容は確定していないものの、現段階の議論の方向を抑えておきたい。



簡易宿所の許可とれば「旅館業」、この仲介は「旅行業」登録必要に
【旅行業の定義(法第2条第1項)】
報酬を得て、旅行者と運送・宿泊サービス提供機関の間に入り、旅行者が「運送又は宿泊サービス」の提供を受けられるよう、複数のサービスを組み合わせた旅行商品の企画や個々のサービスの手配をする行為。この中の「宿泊サービス」とは、旅館業法に基づく「旅館業」に該当するサービスを指す。

国交省の検討資料には、
◆簡易宿所営業の客室面積基準等を緩和することで、旅館業法に基づく許可取得の促進を図ることを検討中。
◆ 簡易宿所の許可を取得した「民泊サービス」は「旅館業」に該当し、旅行業法における「宿泊のサービス」に該当。簡易宿所の許可を取得した「民泊サービス」の仲介行為は、「旅行業」に該当。

…と書いてある。つまり、簡易宿所の許可を取得すれば「旅館業」となり、それを仲介する業務は「旅行業」登録が必要ということだ。不動産投資家が自らの投資物件を「民泊」にする場合は「旅館業」取得が必要となり、そうした不動産投資家が経営する民泊物件を店頭でもチラシでもWEBでも複数掲載して仲介しようとすると、それは「旅行業」にあたるということが考えられる。

そもそも旅行業法では、旅行業者がサービスについての最終的な責任を持たない「仲介者」の立場にあるため、旅行業者に登録制度を実施し、①営業保証金の供託義務、②旅行業務取扱管理者の選任義務、③約款の策定義務及び認可、④取引条件説明義務・契約書面交付義務などを義務付けている。
てるみくらぶ倒産で民泊規制強化も?
また通常、旅行者と宿泊施設が契約当事者となるため、旅行業者は、原則、サービスの提供に関する民事上の契約責任を負担しない状態になっている。(余談だが、先日の「てるみくらぶ」倒産のように、旅行会社が破たんしても旅行者は泣き寝入りせざるを得ず、この事件の影響で民泊への規制強化も考えられる)

このため、インターネットを通じた民泊の仲介行為及び予約管理(民泊紹介サイトや予約サイト)を行う会社は、「旅行業」登録が必要となり、上述①~④の義務をクリアしなければならない可能性がある。たとえば、複数の投資物件の空室に悩む投資家が、民泊に転換して自社HPを立ち上げ、自己所有の民泊物件をいくつか仲介紹介をするといった場合は、これに該当する可能性がある。

また同じ国交省資料において気になる点として、
◆以下の民泊仲介サービスと管理サービス
・インターネットを通じた仲介行為及び予約管理
・ホスト・ゲストに生じる一定の損害をカバーする保険に加入
・24時間対応窓口により当事者、近隣住民から苦情受付
・本人確認、鍵の受渡し、清掃等を受託する事業者(旅館業者等)の紹介

…などは「事業主体(ホスト)の責任において実施することが求められる」と書いてある。自らの投資物件で民泊をやる不動産投資家は「事業主体(ホスト)」であり、代行会社に委託するとしても、事業会社の責任として上記が列挙されていることも念頭に置いておきたい。


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(ファミリーオフィス編集部)

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