2017/03/29
大手不動産会社の戦略から見える7つのキーワードとは?
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不動産事業の多角化めざす
今回は、某大手不動産ホールディングスグループの中期経営計画資料などをもとに、大手不動産グループが考える戦略キーワードを紹介したい。

【キーワード1】窓口のワンストップ一元化
売買・賃貸・管理・建築・リフォーム・インスペクションなどあらゆる不動産サービスのニーズをワンストップで掬い取るための窓口を設置。
【キーワード2】世代循環型の街づくり
子育て期から高齢介護期に至るまで、多世代が交流し世代を超えて街にとどまってくれる仕組みを構築。具体的には、東京の某高級住宅エリアに分譲マンションとシニア住宅・大学を共存させ、同一敷地エリア内での住み替えを支援するために、分譲マンション等の買い取り保証を強化している。

…と聞くと至って普通に聞こえるだろう。よくある街づくりね、と。あー良い街づくりね、と。しかしこれには深い戦略が潜んでいると筆者は考える。

今後の不動産事業はいかに(中高額所得の)人口が集まるエリアで継続的に賃貸売買を行わせるかが鍵になる。現在でも既に地方の自治体消滅が囁かれているが、首都圏や東京なら安心かということでもなく、その中でも人口が滞留循環し続ける勝ち組エリアと、東京でも高齢者ばかりで減っていく街に二極化していく。

中長期で不動産投資とくに賃貸経営をしていくならば、多摩ニュータウンなどのように高齢者ばかりの街になってしまうところでは売買賃貸の需要継続は難しい。常にそのエリアで出産が行われ若い世代がいつの時代もいるようなエリアこそ、安定して賃貸経営でき安定収益が入ってくるエリアといえよう。上記の街づくりはそうした人口の囲い込みを狙った戦略といえよう。
【キーワード3】売却プレミアムサポート
マンション売主向けに「不用品処分費を負担」「運びだし困難な粗大ごみの運搬補助」「今は使わないけど処分したくないものを保管する場所を半年提供」「水回り・壁・床クリーニング」など様々なサービスによって、売主からの物件仕入を集め、室内が狭く見えず美しく見えることによって、より高い値で売れるよう売却サポート。

【キーワード4】空室物件情報のリアルタイム連動開始
管理する賃貸物件の空室状況について、常に最新の情報が「アットホーム」などに公開されるため、不動産会社は電話等による物件の空室状況確認が不要になる。一般のお客様もサイトで最新情報を検索することができ、社会問題になっている「おとり広告」に振り回されることなく希望の物件を探せる。
【キーワード5】入居者・契約者向けスマホアプリ
管理物件の入居者・契約者向け会員登録制WEBサイトのほかスマホアプリも連動。建物メンテナンス日程、契約情報、賃貸借契約解約申請などが行えるマイページが見れる。
【キーワード6】学生関連会社との提携
学生施設や学生寮、学生マンションの建設、産学連携の研究のほか、インターンシップの場を提供することでもキャリア支援。

【キーワード7】在宅サービス拠点の増設
訪問看護、訪問介護、居宅介護支援、福祉用具貸与・販売のワンストップサービス。

以上、「大手の戦略なんてウチには関係ない」と言わずに読んでほしい。不動産会社や不動産プレーヤーの生き残りが激しくなっている中、さらにオリンピック前の競争が熾烈化している中で、資力のある大手は都心部再開発だけでなく、多くの顧客ニーズを広い取ってサービス化を実行している。膨大な広告宣伝費を投じることができ、多くの顧客ニーズを先取りしている大手だけに、その方向性は業界全体の将来のベクトルとして、不動産会社や不動産投資家にとっても参考できる部分は少なくない。

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(ファミリーオフィス編集部)

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