2017/03/28
2018年4月インスペクション重説義務化!その内容とは?どう戦略に生かす?
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来春から義務付けられる「既存建物取引時の情報提供」
改正宅地建物取引業法が昨年6月公布され、2018年4月から施行される。なかでも「既存建物取引時の情報提供の充実」として位置付けられているホームインスペクションは業界内外でも関心を集めている。具体的には何がどうなるのか現時点の情報をまとめてみた。

昨年12月に社会資本整備審議会不動産部会が、インスペクションの実施主体や対象部位、方法などについてとりまとめた。そもそもインスペクション導入の目的は、仲介業者に対して売買の対象となる住宅の現況を確認するためのインスペクション(建物状況調査)の活用を促し、売主も買主も安心して取引ができる中古住宅流通市場を構築することだ。

具体的に何が義務化されるのか?
では具体的に何が義務化されるのか?
まず、仲介業者と売主との媒介契約締結時において、仲介業者がインスペクターを斡旋できるかどうかを売主に示さなければならなくなる。つまり「ウチの不動産会社はインスペクションについては斡旋できません」と言うか、「我々はインスペクションを通じて物件の安全性を買主にアピールする売り方をサポートしているので、インスペクション会社をご紹介できますよ」と言うかを選ばなければならないということだ。

(ちなみに現時点の議論では、インスペクション会社は宅建業と異なる必要があるため、仲介会社が自社でインスペクションも受注することはできない見通し)

これによって、ただでさえ過剰でレッドオーシャン的な不動産会社業界において、売主に「あそこに頼めばホームインスペクションをはじめ何でも相談できる」という信頼を寄せられるか否か、売主の評価が集まるのがどちらかは言うまでもない。仲介会社の商品は売主からの仕入だから、この時点で差がつくということでもある。
1年以内のインスペクション結果を重説説明
次に、仲介業者は1年以内に実施されたインスペクションの結果を、買主に対して重要事項説明時に説明しなければならない(重説の対象となるインスペクションは業者が斡旋したものに限らず)。

インスペクションそのものは義務ではないが、買う側にしてみたらどうか。不動産価格は不透明で価格根拠が薄いこともままあるが、買主にとっては「駅に近いですよ」「内装リフォームしたばかりですよ」だけでなく、安い買い物ではないだけに、建物がどの程度性能が残っているのかを知りたいのが普通だろう。

新築時の性能評価には及ばないものの、建っている建物の性能を調査するのがインスペクターであり、中古売買が一般的なアメリカでは日常的な不動産取引に浸透している。
インスペクション対応で不動産会社の評価が二極化?
新築なら建築時に部材生産や工場生産過程で、ある程度の品確法の性能等級などが数値化できるが、既存(中古)物件はどの程度の性能があるのか分からない部分が多い。これが日本の既存物件流通を阻害してきたわけだ。不動産価格は不透明で価格根拠が薄いこともままあるが、「立地がいい」「利回り」だけで売れる時代が終わろうとしているということである。

これを不動産投資の文脈で読み解いてみると、読者である不動産会社はこのインスペクションへの対応で自社への評価に大きな影響が出るであろうこと(商品を出してくれる売主と買主からの評価が変わってくる)、さらに売主・買主となる不動産投資家にとってもこのインスペクションで自身がより性能を理解することによって、売買がスムーズに信頼の高いものになり、自身の投資戦略をより手堅いものにする契機になることは想像するにたやすい。

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(ファミリーオフィス編集部)

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