2017/03/08
非婚・離婚の時代、生涯独身の不動産投資家はどんな相続・財産分与になる?
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50代男性の4人に1人は一人暮らし
一連の相続税引上げに加え、昨今の非婚や離婚による単身者の増加により、相続分や遺産分割の考え方も著しく変化してきている。相続対策として不動産投資を考えている人にとっては、そうしたトレンドも把握しておく必要があるだろう。今回はそんな現代ならではの相続形態に対し、民法をどのように解釈したらいいか考えてみよう。

単身者の増加が止まらない。1980年の単身世帯数は711万世帯であったが、2010年には1678万世帯となり、2.4倍増加した。現在の結婚等のトレンドが横ばいに続くと仮定した場合、総人口に占める一人暮らしの割合が1980年には6.1%だったの対し、2030年には15.8%となり、6人に1人が一人暮らしになっていくと推測されている(国立社会保障・人口問題研究所2008年推計)。

どうなる?親も子もいない「ひとり相続」
特に注目されるのは、高齢者のみならず中高年男性でも一人暮らしが増える点で、2030年には50歳代・60歳代男性の4人に1人が単身世帯になると予測されている。50-60歳で結婚することももちろんあるだろうが非常にレアケースと考えられるため、この層がこのままいけば単身のまま自身の逝去→相続を迎えることが十分考えられる。

これまでの相続議論は親や配偶者・子どもなど一般的な家族形態の相続事例が多いとみられるが、離婚や孤独死が社会問題化する中、親も子どももいない単身高齢者の相続がどうなるのかを以下考えてみる。

一般的な法定相続分は、
①配偶者と子どもがいる場合→配偶者1/2、残り1/2を子どもの人数で均等に分ける
②子どもがおらず、配偶者と親が生存している場合→配偶者2/3、直系尊属の親が残りの1/3
③親も子どももおらず、配偶者と兄弟姉妹が生存している場合→配偶者3/4、残り1/4を兄弟姉妹で均等に分ける
(もちろん、当事者が納得すれば上記の割合でなくてもいい)
生涯独身のケース別相続パターン
◆生涯独身、親も子も兄弟姉妹もいない場合
しかし、生涯独身、子どもがおらず両親も祖父母も他界している単身高齢者の相続はどうなるか。結婚費用や子どもの教育費などにコストがかからなかった人生だけに、もしかしたら投資不動産などで資産運用し莫大な財産を所有しているケースもあるかもしれない。

まず、単身高齢者が一人っ子で親などの直系尊属が他界しており、子どももいない、そして遺言がなく法定相続人が全くいない場合は、財産は国庫に入る。ただし、結婚はしなかったが内縁の配偶者(愛人)や事実上の養子、病気介護期などの療養看護を世話してくれた人といった「特別縁故者」がいる場合、この特別縁故者たちは家庭裁判所の審判が下れば財産分与を受けることができる。

◆生涯独身、親も子もいないが兄弟姉妹がいる場合
兄弟姉妹の人数分で均等に(当事者間での取り決めがあればその割合で)分割される。

生涯独身A、兄弟姉妹(全血)B、Cがいるが、腹違いの兄弟姉妹(半血)Dもいる場合
離婚が多い時代、親が離婚して別の人と再婚しているケースも少なくない現代だ。親が再婚してそこに腹違いの子どもがいたとする。生涯独身の不動産投資家にとっては、腹違いの兄弟姉妹がいたことになるが、実はこの腹違い兄弟も相続権が発生する。

具体的には、Aが死亡すると、BとCは全血の兄弟姉妹として血縁関係が濃いため(両親が同じ)、半血の兄弟姉妹DはBとCの相続分の1/2になる。BとCが財産の2/5ずつ、Dは1/5となる。

複雑だが、いつの時代も相続は紛争トラブルになりやすいため、こうした新時代の相続分解釈もしっかり押さえておきたい。


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(ファミリーオフィス編集部)

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