2017/03/01
借地権付物件はお買い得?オーナー意向による契約解除は難しい!?(下)
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1棟物件を買っても自由に建て替え・リフォームできない?
1棟物件を買うといった場合、「借地権付き不動産」、つまり以下のような建物付きの土地を買うケースも考えられるだろう。例えば、Aさんが不動産投資家Bさん所有地の借地権を持っており、その土地の上に建物を建てて住んでいるといった場合だ。土地の持ち主(地主)BさんはAさんに借地権を与えていて、「Aさんが建てた建物ごと」その土地を売りに出し、不動産投資家で新たな地主となるCさんが買った場合である。

建物があって借地権者Aさんが借地契約を更新する意向がある場合には、地主Cさんに『正当事由』がないかぎり更新を拒絶(契約の解約)することはできない。借地人を手厚く保護する現在の借地借家法においては、この地主側の正当事由はなかなか認められにくいのが実情だ。

オーナーの正当事由は認められにくい
借地借家法第6条からみて、地主が正当事由が認められて更新の拒絶をするには、

①「借地権設定者(地主Cさん)及び借地権者(借主Aさん)が土地の使用を必要とする事情」
→土地を必要とする理由が、地主と借地権者でどちらが強いかが問題になる。ただし、現在の法律解釈では「今、土地の上の建物に住んでいる借地人」のほうが立場が弱いため法律で守る必要があるとされ、「(投資のために)土地を売る地主オーナー」の言い分は聞き入れられにくいのが実情だ。

②「借地に関する従前の経過、及び土地の利用状況」 
→Cさんが更新料等を授受していたのか、Aさんの地代支払いに滞りがなかったかといった、借地における諸事情が問題になる。

③「借地権設定者(地主Cさん)が土地の明渡しの条件として、又は土地の明渡しと引換えに、借地権者(借主Aさん)に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合」
→いわゆる地主Cさんが明渡料を提案したかどうか。しかし、明渡料は正当事由の補完的な要素と考えられており、十分な金額を提示したとしても、借地権者(借主)の土地利用の必要性が高い場合は、正当事由が認められないことが多い。

…などが問われ、借地権期間が終了したからといって、さっさと契約解除してCさんが自分所有の建物を建てたり売却することは、なかなかスムーズには行かない。

正当事由に関しては裁判で争うことも多く、総合的な判断をする必要がある。
また、借地権者Aさんに更新意向がなく、借地権を返還意向、もしくは地主に買い取ってもらいたい意向がある場合は、借地権者Aさんが建物を取り壊し、更地で地主Cさんに返還する、もしくは借地権付建物を地主Cさんが購入することになる。 
借地権付き建物を買い取らなければならないことも
このように、
・地主の意向のみでの借地権解約はハードルが高い。
・借地権者(借主)の返還、もしくは売却意向があれば、条件面整備の上、借地権解約の状態にすることができる。
・地主だけの意向では返してもらうことはなかなか難しいので、借地権者Aさんに事情を説明して理解してもらう必要がある。

…など、借地権付き不動産は比較的安く手に入ることも多いが、現実には以上のような制約もあることを覚えておきたい。

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(ファミリーオフィス編集部)

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