2017/02/28
〝合法民泊”許可第一号の社長に聞く「地方物件の空室対策にこそ民泊需要に向く理由」(下)
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なぜ東京でなく福岡でスタート?
前回に続き、旅館業法施行条例改正後の許可申請第一号として、合法的な”民泊”事業を福岡で最初に展開する企業となった「シェアリングホテル株式会社」代表取締役 斎藤仁氏に、今後の民泊需要について聞いた。

--福岡でも外国人観光客は多いですか?

はい。福岡はアジア客の玄関口で、福岡-ソウルは飛行機で1.5時間。東京-北海道・沖縄と変わりません。
アジアから九州や西日本を旅したいといった場合、ソウル⇔宮崎などは直行便がないので必ず福岡空港が必須経由地になる。実際、福岡の街を歩く観光客は非常に多いですね。

--国籍、属性などは?

圧倒的に韓国人です(同社ホテル利用客の6割)。
後は中国・台湾・香港なども多く、そのあたりで9割占めます。
年代は10-60代と幅広く、富裕層ではなく一般人、家族や友人といったグループ客が多いですね。

地価の低い地方なら仕入コストが下がる
--なぜ東京でなく福岡でビジネスを始めたのですか?

観光客向けホテルの1日宿泊単価は、東京でも福岡でも1泊1.2万。
稼働率も東京も福岡も90-95%でさほど変わらない。しかし福岡の地価は東京の半分です。
仕入れや固定費が圧倒的に低い。
ホテル業は固定費ビジネスですから、固定比率をいかに下げるかで成否が決まります。
ですので、まずは固定費率が低く、アジア客の入口になる福岡から始めました。

--御社が手掛けた民泊やスマートホテルはほぼ常に稼働率95%と高いそうですが、その理由は?

先にも述べましたが、アジアから来る観光客のほとんどが一般人ですから、日本のラグジュアリーホテルに泊まるわけじゃありません。
客室単価8000円~1.3万円のエコノミーホテル群がボリュームゾーンです。
ラグジュアリーやハイエンドホテルは東京と福岡では2倍の価格差がありますが、エコノミーホテルの価格はエリア差がない。福岡の有名某チェーンホテルも私たちの民泊ホテルも1.2万円ほどです。つまり、このホテルセグメントに関しては東京と同等の客単価が取れるということで、仕入コストが低くて済めばその分、利益率(利回り)が増すということです。
民泊の1人4000円切る安さがアジア観光客には魅力
さらに、私たちの民泊ホテルはマンションなどをリノベーションしていますから、街中のビジネスホテルの2倍ほどの広さがある。
普通のビジネスホテルは13㎡で定員2名、私たちの1室は33㎡で定員4名。
ファミリーや友人グループで来日するアジア客は3-5名が多いと思いますが、ビジネスホテルを検討する場合は2室借りなければなりません。
しかし民泊なら1室で4~5名収容でき、1名あたり4000円を切る安さが圧倒的に魅力に映るのです。ここも、マンション・アパートのコンバージョンならではのメリットといえるでしょう。
訪日リピート客は今後、地方都市も観光する
--初めての訪日客はまず東京や首都圏を訪れるでしょうが、2~3回目となれば西日本や中部、東北といった地方観光も増えますよね。そうすると、地方の空室物件対策にも有効となりそうでしょうか?

はい、前述したように、地方は首都圏に比べて地価が安いので、仕入や固定費が安く抑えられるうえ、宿泊価格も首都圏と大差ない価格で提供できます。結果、高い利回りが期待できるのです。

--最後に、今後、民泊も視野に検討する不動産投資家の皆さんに一言。

空室に困っていたり、地方などで買い手がつかない賃貸マンション・アパートの投資家の皆さんに、ぜひこうした選択肢もあることを知っていただきたいです。これは皆さん投資家の利回りという面だけでなく、客室不足や空家対策といった社会課題も解決しうる選択肢なのです。

--ありがとうございました。

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(ファミリーオフィス編集部)

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