2017/02/15
借地権付物件はお買い得? 土地建物の借主は法律で保護されている(上)
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借主保護の強い「借地借家法」
「借地権付き」というフーレズで手頃に売りに出されている1棟物件もある。「借地権?どうせ契約終了すれば返してもらえるんだろう?」と軽く見てはいけない。現在の借地借家法は借主を非常に手厚く保護している。投資家の皆さん側となる貸主(地主)に相当な理由がないと、借主が何十年も建物を使用してしまい、売却したり自分の建物に建て替えたりといった投資計画が狂うことにもなりかねない。

「借主保護」が強くなっていることは何となく知っている人も多いと思うが、改めて現在の借地借家法の概要を押さえておこう。

まず借地権には、
①建物所有を目的とする「地上権」
②「土地賃借権」
の2つがある。一時的に土地をタダで借りていたり、建物所有を目的としない借地は、借地借家法の適用範囲から外れる。
今回は、借地借家法による多くの借主保護のうち、「借地期間」と「契約更新」をみていきたい。

借地権期間は最低30年以上
【借地権の存続期間】
借地権を設定する場合(地上権でも土地賃借権でも)期間は最低でも30年以上にしなければならない、と決められている。上限はなく、存続期間を40年にすればそのまま40年が存続期間になるが、30年より短い20年や「定めがない」場合は自動的に30年になる。

30年といえば、例えば夫婦が土地を借りて家を建て、そこで子どもを生んで育て、おおよそ退職の頃に契約期間が終わるイメージだ。それまでは安心して最低30年借りられるようにしているわけだが、逐次、相場を見ながら売却購入を繰り返していきたいという不動産投資家にとっては、一生が終わってしまうほど長すぎる期間だ。しかも後述するようにこの30年は、30年以上に伸びる可能性が大変高い。
オーナー意向で借地権解除できるのは「レアケース」
【借地権の更新】
仮に30年の契約期間が終わり、借主がもっと借りたいというときには契約更新になる。上記のストーリーでいえば、定年退職になったからといってすぐに建物を壊して出ていけるケースは現実には考えにくい。

①合意更新
貸主と借主が契約更新に友好的に合意する「合意更新」もあるが、現実には借主は「借り続けたい」、貸主は「もういい加減契約解約したい」と意思が食い違うケースがほとんどだろう。そんな時はどうなるのか。それが以下の②③である。

②請求による更新
借地上に建物が残っている場合、借主からの請求で契約は自動的に更新される。貸主が遅滞なく正当な事由がある異議を述べれば更新されないが、異議を述べなかったりその異議に正当な事由がなければ、契約は更新される。

③法定更新
借地上に建物が残っていて、期間満了後も借主が引き続き土地を使用継続しているなら、契約は自動更新される。貸主が遅滞なく正当な事由ある異議を述べれば更新されないが、この「正当な異議」が実際には通りにくい。

以上の②③をみると、建物が残っていると自動的に契約が更新されてしまうため、貸主(地主)が契約終了したいならば、契約期間終了からかなり前から借主に立ち退きを求め、契約終了時には完全に建物がない更地の状態にしておかなければならないということだ。しかも立ち退きもスムーズにいくとは限らず、高額な立ち退き料を要求される可能性も覚悟しておく必要がある。   (文責:ファミリーオフィス編集部)

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(ファミリーオフィス編集部)

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