2015/12/04
アベノミクスによる不動産市場への影響と今後の展望
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「日本不動産市場」は世界的に見て健全な状態

2012年末にスタートしたアベノミクスによる大胆な金融政策は、日本経済に円安、低金利をもたらし、その結果、不動産市場は活発化、不動産投資額は大幅に増加した。

オフィス賃料も2012年以降上昇を続けており、2015年通年では世界的にトップクラスの賃料上昇が予測される魅力的な市場となった。


成長戦略における構造改革・規制緩和がまだ大きく進展していないことから、アベノミクスの長期的な持続可能性は不透明だが、継続が予測される金融緩和は、不動産市場の成長を引き続き下支えすることが見込まれる。イールドギャップは依然として高水準であり、日本の不動産市場は世界的に見て健全な状態を保っている。

経済や環境変化に左右されない専門分野の投資家による長期的な投資、人口構成変化に応じた投資機会の広がりなど、あらゆるセクターにおいて投資機会は存在し、今後も不動産市場の活況は継続することが見込まれる。


海外投資家の投資額は2011年比で14倍

不動産取引額は、2012年以降活発化し、2013年初頭の金融緩和策以来急速に増加。商業用不動産投資額は2014年に4兆7,000億円と、2012年と比較して倍以上に増加した。

海外投資家による日本不動産への投資は、良好な借入れ条件、他のグローバル市場に比べて魅力的なスプレッド、それを支える為替ヘッジ環境などを背景に目覚ましい回復をみせ、2014年の海外投資家による投資額は2011年比で14倍にも達した。


日本の投資額全体における海外投資家割合は、過去5年間で5%~10%台であったが、2015年1月~9月間では22%にも及んでいる。2015年1月~9月の海外投資家による投資額は日本円ベースですでに2012年、2013年の通年額を上回っており、非常に堅調である。


しかしながら、国内投資家(REIT、私募REIT、国内不動産会社やデベロッパー、私募ファンドなど)が市場を独占しており、海外投資家にとって参入し難い市場でもあるのは確かだ。

日本不動産市場の現状と今後の展望

2015年第3四半期において価格上昇は若干鈍化した。これは短期的な投資家の警戒や潜在的に穏やかな経済成長率に起因するとも考えられる。

しかし、金利の大幅上昇やリーマンショックのような外部要因なくして、短期的に不動産価格が下落するようなことはないだろう。

売買市場において、短期的なキャップレート縮小を求める投資家にとって、日本の全てのセクターにおいて投資機会があると考えられ、ピークと比較して、スプレッドは未だ魅力的な範囲にあり、長期的には、政府による十分かつ適切なペースで構造改革の実施が重要であり、アベノミクス効果に期待を寄せる投資家に投資機会があるといえる。

また、経済や価格上昇にとらわれず、資産管理によって資産価値向上の可能性を見出す専門分野の投資家にとっても長期的な機会があると考えられる。


日本の人口構成の変化を背景に高齢者用施設、地方のショッピングセンター、インターネット通販の拡大に支えられるロジスティックス、2020年の東京オリンピックおよび観光立国日本を見据えたホテル等は、今後とも優れた投資利益をもたらすだろう。


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(ファミリーオフィス編集部)

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