2015/11/22
相続税対策の「タワーマンション節税」は今後極めて困難に!?
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「タワーマンション節税」に国税庁が厳しくチェック

タワーマンションの購入による行き過ぎた相続税の節税策について、国税庁が課税を強化するように全国の国税局に指示した。相続税を算出するための「財産評価基本通達」によると、マンションの場合、敷地全体に対する専有面積の割合(持ち分)に応じて各戸の評価額が決まるため、高層マンションのように戸数が多いほど持ち分が小さくなり、評価額も下がるのだ。


たとえば、3億円の預金を相続すると、その金額が課税対象となるのに対し、相続前に3億円でタワーマンションを買っていれば評価額が下がる。人気の高層階ほど時価と評価額の開きが大きくなり、差額の節税効果を狙って、富裕層の間では数年前から注目されている相続税対策法となっているのだ。


評価額「約3,600万円」の物件が約1億円で販売!?

国税庁が2013年までの3年間を調べると、評価額が約3,600万円の物件が約1億円で売られるなど、343件の平均で売値(時価)が評価額の3倍を超えていた。過去には、相続後すぐに売り抜けて多額の「差益」を得るケースもあり、こうした節税策を薦める金融機関や税理士法人が実際に存在する。


しかし、合法的とはいえ、国が定めた評価減ではなく、国税庁には行き過ぎた節税方法に映っているため、節税対策ということで監視強化に乗り出したと思われる。

実は国税庁は以前からこの相続対策に目を光らせていた。相続をきっかけに短期間でタワーマンションが売買された場合には抜き打ちで税務調査を行っていたのだ。

東京高裁が課税を認めた例

財産評価基本通達には「路線価に基づく評価が著しく不適当な場合、国税庁長官の指示を受けて評価する」との規定があり、国税局はこれを根拠に課税を強化する方針だ。

国税庁が全国の国税局に明確に指示したことで、今後の国税庁のスタンスがはっきりしたと言って良いだろう。

また、税務調査が入ると評価額が売買価格に査定し直されてしまうため、この対策方法には以前から警笛を鳴らす専門家も多い。さらに、従来も相続に近接した時期の売買価格などを評価額として課税した例はあり、売買価格と評価額の格差が2.2倍だったケースでは、東京高裁が売買価格に基づく課税を正当と認めている。

それでも富裕層は税金圧縮を目論む!?

そもそも税金の圧縮を考えている富裕層たちはタワーマンションの「購入」だけでは終わらない。

多くの富裕層がやっているのは、その物件を人に賃貸に出す方法だ。

都心のタワーマンションを購入して貸し出した場合の評価額は購入価格のざっと20%まで減る。そのため、億単位の税金圧縮が可能と言われているのだ。

しかし、国税庁の本気度を考慮すると今後は、このようなタワーマンションへ投資することによっての節税対策は、極めて困難になると思われる。


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(ファミリーオフィス編集部)

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