2015/10/18
人口減少時代の今、各自治体の動きを把握することが不動産投資の成功の鍵となる!?
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「人口減少」は日本だけの問題ではない!?

多くの国において、多様な経済組織を持つ大都市の人口は増加するが、小さな都市の人口は減っているといわれている。例えば、ドイツでは出生率が世界最低になり、将来の労働人口の減少に繋がるとして、経済への影響が懸念されている。ドイツの住民1,000人当たりの赤ちゃんの出生数は、過去5年間で平均8.2人となり、日本の8.4人を下回った。

人口の減少は、アメリカ中西部、東欧、イギリス北部のような鉄鋼、繊維などの斜陽産業が集中する都市部で深刻化した。しかし現在は、アジアでも多く見られる現象で、急速に都市化する中国やインドでさえも、一部の都市ではすでに人口が減少中といわれている。


日本では「人口争奪戦」が勃発!?

都市の人口減少は、二つのプロセスが原因だとされる。一つ目は、人口の移動だ。ほとんどの場合は、産業の衰退が大きく影響しているが、労働者が遠くまで移動することはない。財政破綻したアメリカのデトロイトの場合、ドーナツ化したものの、郊外を含めた都市圏としての人口はここ数十年ほぼ変わらない。

ソウルの場合も、空港とともに急速に発展する近隣のインチョンに、住民を奪われた形だ。


二つ目の原因は、人口統計上の変化だ。広く都市化した国では、移民の受け入れや、出生率の上昇がない限り、死亡数をカバーできず、都市人口は減少する。

日本のようにどちらの対策も取れなかった国において、人口が増加する都市は、他の都市の住民を引き抜いているにすぎず、国全体で「人口争奪戦」をしているだけかもしれない。

この時代に人口を「16,000人」も増加させた街とは

人口減少の時代に、人口を10%、16,000人も増やした街が日本にある。しかも、子育て世代の30代夫婦を中心とした人口流入であるため、人口構成も若返った。

その街とは、『DEWKs』(子育て世代の共働き夫婦)をターゲットとした政策を行った千葉県流山市だ。


DEWKsは共働きだから世帯所得が高く、税収や、街の商業・サービス業活性化への寄与度が大きい。またDINKs(Double Income No Kids)とは違って子供を持つため、次世代もこの街に持続的に住み続ける可能性がある。


流山市の人口は、2005年の153,000人から2013年には169,000人へと増大し、人口ピラミッドの推移をみると、10歳未満の子供と、30代~40代の子育て世代が大幅に増加している。

今や30代~40代の子育て世代の人口が、かつてのボリュームゾーンであった団塊世代の数を上回り、流山市の人口構成における最大のボリュームゾーンとなった。

流山市は単に人口増を達成しただけでなく、人口構成を未来に向けて持続可能性を高める方向へと再構築したのである。

実際に行ったことは、つくばエクスプレス(TX)で秋葉原から20~25分、「都心から一番近い森のまち」として緑に囲まれた生活環境の良さをアピールした。さらには、保育所の定員を大胆に増やし、市の二つの主要駅から各保育所へバスで送迎するハブシステムを作りだした。そうすることによって、子育て共働き夫婦の最大の心配事である保育所問題の解決を図ったのである。

人口流出を食い止める「佐賀市」

佐賀市は現在、高校や大学の新卒で市外に就職する市民を対象に、福岡市や久留米市などへのJR特急通勤費を補助する制度を新年度から始めている。補助額は佐賀~博多間の特急定期券分とほぼ同額の一ヶ月で最大15,000円。若者の市外転出を抑制する狙いだ。


2010年の国勢調査では、佐賀市から福岡市への通勤人口は約1,600人、鳥栖市へは約1,300人、久留米市約860人だった。

そこで、佐賀から福岡都市圏への流出が多いが、特急を使えば十分通える距離と考え、定期代の補助をすることで今後もさらに佐賀市への居住が定着することに期待している。

他にも同じような自治体が現れている!?

佐賀市のように「住んでくれたら、通勤で使う特急料金を補助する」という自治体が他にも存在する。

狙いは人口増であり、都心からは少し遠い街だけど、「特急を使えば快適」と誘っているのだ。


そのまちとは、太平洋に面した房総半島の「千葉県いすみ市」だ。

海水浴と漁港で知られるこの街は、市内に転居した人にJR外房線の特急料金を補助している。東京都内や千葉市などへ定期券で通勤する人が対象で、1人あたり最大月10,000円が出る。


いすみ市の人口は約40,000人で、ここ10年間で3,000人減った。いすみ市の大原駅から東京駅へは特急で約70分、千葉市の蘇我駅へは約40分で、普通列車の半分の時間で着く。混雑とは無縁の快適なシートに揺られて通勤できるのも魅力だ。一般的な企業では通勤手当で特急料金は出ない。定期券の特急料金は21,600円(一ヶ月)で、その半分近くを市が補助している。


日本には海や山など豊かな自然に囲まれ、都心から観光で訪れる人も多いが、住むとなると「遠い」と敬遠されがちの町が多い。そのため、人口流出を防ぐために、このような施策を行う自治体は、今後もさらに増えてくると思われる。


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(ファミリーオフィス編集部)

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