2015/09/22
相続税対策の落とし穴!?不動産を活用する場合の注意点とは?
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不動産の有効活用が相続税対策に最適

相続する財産のうち、非課税枠が縮小された相続税。非課税枠は相続する人数によって変わるが、たとえば子ども2人が相続する場合、これまでは7,000万円までの資産が非課税だったが、2015年1月から、それが4,200万円を超えると課税されるようになった。


財務省の試算によると、相続税の課税対象となる財産をもつ人の割合は、全国で約4%から6%台に広がったと言われており、相続税の節税に有効とされる方法の一つが、不動産の有効活用なのだ。特に、マンション・アパート等の「不動産賃貸経営」は節税効果が見込めるとされている。


賃貸経営で相続税が節税できる?

相続税の節税対策は、相続税評価額を目減りさせれば可能だ。

現金等の金融資産を持っている場合、原則額面どおりを評価額として相続税が課税されるが、不動産の場合、土地であれば路線価(一部地域では固定資産評価額の倍率方式)が、建物であれば固定資産評価額が、原則として相続税評価額となる。

これらの評価額は時価よりも低いと言われており、不動産を購入することで、その差額に対応する相続税額が節税できるというわけだ。


しかし、実際に不動産の購入をする場合には、その購入代金だけでなく、不動産の維持にかかる税金・費用、収益不動産の経営リスクといったものも考慮しなければならない。節税効果ばかりに気を取られ、これらのリスクを無視していると、かえって相続財産が縮小してしまうということにもなりかねないのだ。

相続税対策の注意点

相続税対策として不動産の有効活用をする人が増えているが、一方でトラブルも増えているようだ。

最近目立つのが「サブリース」の仕組みを使った不動産賃貸経営だ。

サブリースとは、転貸しのことである。不動産賃貸では、不動産業者がオーナーから土地・建物などを、転貸しを目的に一括して借り上げて、運営・管理を引き受ける賃貸システムのことだ。


一見、オーナーにとっては、不動産業者が物件を一括管理してくれるので、アパート管理の知識やノウハウがなくても賃貸物件を建築することができ、また部屋を借りる人を探して契約する手間が省け、さらには空室分の家賃収入を保証してもらえるといったメリットが見込める。しかし、最近ではそのサブリースが問題視されるようになってきたのだ。

サブリースをめぐるトラブルとは

例えば、契約期間中に、強引な賃料の減額を要求されたケースだ。ある年金生活者が不動産業者から遊休地の農地に「アパートを建てないか」と勧誘され、「30年間一括借り上げするので、何もせずに安定した収入が得られる」と説得されたが、その10年後、「賃料相場が下落している」ことなどを理由に賃料の減額を求められ、空室が出れば居住者の再募集のために賃料の減額を求められたというのだ。

この事例に限らず、トラブルのほとんどは不動産業者がサブリースのリスクについて十分に説明していないことが原因のようである。

節税だけではない「相続対策」

相続対策というと節税に目が行きがちだが、納税資金の確保や遺産分割対策といった他の相続対策も同様に重要となる。これらの点は、むしろ節税よりも先に検討されるべき問題であるかもしれない。


現金のまま相続させると相続税が高いからといって、全ての現金を不動産に変えてしまい、結果、納税資金のために不動産を売却することになったのでは、かえって損な場合もある可能性は否定できない。

相続財産の大部分を単一の不動産にしてしまったような場合に、相続人が法定相続分で円満に共有してくれれば問題はない。しかし、代償金を巡って相続紛争に発展し、結局、不動産を売却して金銭で分割するしか手段がなくなることもありえる。


相続対策に重要なのは、信頼がおけるさまざまな専門家(弁護士、税理士、不動産業者、金融機関)に相談し意見を聞いて進めていくことに他ならない。


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(ファミリーオフィス編集部)

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